規模の大きい病院の場合、産前・産後休暇や育児休暇などの子育て支援が充実しており、院内託児所を設置しているところも少なくありません。働いている看護師の数も多いのである程度人員補充の余裕があります。全国展開しているグループ系の病院であれば転勤にも対応してくれるため、結婚相手が転勤の多い職業だった場合でも安心です。このように出産や転勤の可能性があっても比較的寛容なので、安定的に働きたい人におすすめです。
ただし、各種制度についてはどのタイミング、どの条件で利用可能なのかを事前に確認しておく必要があります。「臨時採用の場合は利用不可」「勤務〇年以上から利用可」など細かく条件を設定している場合もあるためです。また、規模の大きい病院は夜勤や不規則なシフト勤務、委員会、学会などがあるため、家庭を圧迫する可能性があります。勤続年数の長い看護師が結束し、派閥のようなものを作っている可能性もあるので、職場環境を詳しく調べてから応募するようにしましょう。
個人病院やクリニックは休日が規則的でほとんどの場合日勤のみです。残業も少なく、ワークライフバランスを保ちやすいというメリットがあります。臨時採用や短期間採用の求人も多く、妊娠・出産の時期に合わせてスポット的に働きたい看護師にもおすすめです。地域医療に力を入れている場合、地域に根差して長く働いてくれる看護師を望んでいる事が多いようです。
ただし、臨時採用やパートの場合は各種保険に加入できない可能性があるので、事前に確認しておきましょう。また、転勤には対応していない点も考慮しておいてください。決まった曜日に休日が設けられていますが、施設の規模が小さいので職員の数には限りがあり、有給休暇の取得が難しい可能性もあります。教育体制も規模の大きい病院に比べると劣っているでしょう。もちろん、地域性や院長の方針によって職場環境は大きく異なるため、まずは募集要項の「育児休暇取得実績」や「看護休暇取得実績」などを確認してください。
デイサービスや老人ホームなどの介護施設は、母体が民間企業であったり系列展開している事も多く、福利厚生が充実しています。産休や育休を推奨しているところも多いようです。ただし、介護施設は看護師の数が医療施設と比べて圧倒的に少なく、看護師は「替えのきかない人材」として扱われます。オンコールや深夜待機がある施設の場合、病院勤務以上に忙しくなる可能性もあります。個人病院やクリニックに比べると待遇はいいですが、産休や急な転勤などには対応していない場合もあります。
